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あるLeicester City FCファンのブログ

Big 6勝利記念

毎試合ごとを諦めたら途端に更新が空いてしまいました。今回はFAカップ準決勝進出を記念して久しぶりに更新します。

Big 6に食い込め!

FAカップマンチェスターUに3-1で勝利!これで今シーズンBig 6すべてに勝利したことになります。順位も3位をキープして昨シーズンのような失速もなんとか防いでいる状況です。ELは残念でしたが来シーズンのCLに期待しています。ところで放送はどうなるのか…。

rezの復帰とIheanacho絶好調

やはり今の驚きはIheanachoの好調っぷり。シェフィールドUに対してハットトリックの後マンチェスターUにも2得点。この好転にはPérezの復帰が絡んでいる気がします。
Maddisonを欠くレスターは攻撃の組み立て役がいなく、Iheanachoが下がってボールを受けに来てもポストが上手くできなかったりパスが合わなかったりとチャンスを潰しがちでした。
Maddison不在の影響が顕著だったのが26–28節で、この間Vardyのシュートは2本、タッチ数もIheanachoが増えるばかりでVardyはボールが来ない状態が続きました。
それでもブライトン戦でちょっと兆しが見えたのがTavaresの登場で、2トップの前にボールを受けてくれる人がいると前線の動きが良くなりました。
そしてPérezが帰ってくると、彼がまず受けてキープ、その間にVardyが裏に抜けてボールを受ける、そこからのクロスをIheanachoが決めるという流れでシェフィールドUから点を取りました。
すると、点が取れたことでIheanachoの調子がどんどん上向き、これまで決まる気配すらなかったミドルが決まってさらに調子が上がり、マンチェスターUからも2点を取るまでになりました。

気分屋Iheanacho

FAカップの解説でBenさんも触れていましたが、Iheanachoはやはりというか褒められると調子が上がるタイプだそうです。見ればわかる感じがしますが。12月のクリスタルパレス戦でのPK失敗も自身のなさを象徴するようなコースの甘さでしたし、昨季のたしかノリッジ戦で相手に戻すべきボールをプレーしてしまって相手選手に怒られてからのがたつきっぷりは見ていて心配になるほどでした。
それが自身初のハットトリックから絶好調で、シュートも鋭くなるしポジショニングもよくなりポストも安定。なんてわかりやすい。
こうなればこのままがっちり自信をつけてもらって、レスターのセカンドトップ不足を解消してもらいたいところです。点は取っていてもラストパスの精度とかカウンターのスピードと判断とか従来の欠点は今もそのままなので。マンチェスターCにいたのに?という疑問が湧かなくもないですが、もうしばらく長い目で見られそうです。

控え組の巻き返し

rezは出場機会はあったものの、最近まではたまに固めどりするくらいでどちらかというと攻撃を停滞させる場面が目立つような選手でした。Albrightonにレギュラーの座も奪われていましたが、ここ最近はボールを受けて狭いところを割っていったりいいパスをつけたりと見違えてきました。もともと守備の強度はあったので、だいぶ戦力としてはまってきたように感じます。
Iheanachoも難しいシュートは決められるのにそれ以外でチームの調子を崩すことが多い感じでしたが、気持ちが乗った今はVardyに替わる得点源となっています。
これには監督のシステムの工夫だったり声かけなんかもあったりするのかなと思います。さすがDeveloperというところでしょうか。 今後は継続性が課題とされるÜnderとか、大事なところでミスが出てどんどん弱気になるChoudhuryとか、頑張ってるけどまだ守備で苦労することが多いThomasとか、彼らの奮起とそれをけしかける監督の手腕に期待したいです。

20/21 第11-13節: わかりやすい弱点

PLでミッドウィーク開催が始まったところで、上位チームの躓きが増えているのはコンディションの問題でしょうか。レスターも見どころに欠ける試合が増えている感じがして、何書こうかと考えているうちにどんどん試合が進んでしまいました。今回は1つ1つの試合というよりここまでのスタッツ、特に得失点絡みについて書いてみます。

セットプレーが大の苦手

WhoScoredによれば、PLでのレスターのここまでのセットプレー(PKは除く)での得点は0でブライトンとともに最下位、失点は7でリーズの8に次いでワースト2位だそうです。シェフィールドU戦でも確か実況で言及していてその通りに失点しました。そしてエヴァートンに対しても失点。2回もはじいたSchmeichelのやりきれない顔がすべてを物語っていました。

長身の相手9番に対してTielemansが競っていたり、こぼれ球に対し全員足が止まっていたりと、CKでの失点は本当に多いです。観ていて怖い。これまでNdidiが怪我だったりエヴァートン戦ではEvansが出場停止だったりと、空中戦で頼れる選手が欠けていたのもあるのかなと。Vardyがゴール前で守ってるのもよく見るような…。Fofanaは流れでの守備は強固ですがセットプレーは集中できていないことが少し多いかもしれません。まだ若いのでこれからでしょうか。

流れでの得点は16でトッテナムの18に続いてリヴァプールと同率の2位。だからこそセットプレーが攻撃でも守備でも本当にもったいないです。セットプレーでの得点がないということは、相手からすれば攻め込まれたらとりあえずクリアかエリア前でのファウルでいいわけですから。

1失点したらMorganを入れてみるのもアリかもしれないですね。エヴァートン戦なんかはビハインドからセットプレーで追いつけず逆にCKで差を広げられたわけで、空中戦で無類の強さを誇るキャプテンに頼ってもいいのではないかと。まぁビルドアップとかのリスクはありますが。

カウンターが苦手

WhoScoredを眺めていて驚いたのが、レスターのカウンターでの得点がPLでは0ということです。どこまでをカウンターと取るのかにもよるのでしょうが、Rodgers監督になってスタイルが変わっとはいえここまでとは。主な原因はやはりNdidiが中盤にいないことでしょう。怪我で欠場か出場してもCBが多かったので。

あと最近気になるのがプレスの連動。Vardyが一気に距離を詰めるのに周りがついていけず(いかず?)、Vardyが不満そうに手を広げるシーンが増えています。これについてはMaddisonとPraetの怪我明けから続いているコンディション不良と、過密日程でも出ずっぱりでそのあおりを受けるTielemansの疲労によるところもあるかと思います。あとはフォーメーションの違いも。

あくまでイメージですが、Vardyがプレッシャーをかけて、中盤4人で追い詰めて、相手が無理にパスしたところをNdidiが奪ってカウンター(しかも両SBのオーバー/インナーラップ付き)というのが昨季のパターンだった気がします。Mendyでも同じことはできるかもしれませんが、その前で追い込めないことの方が問題です。

カウンターもまたセットプレーと同じで、守るのも苦手なようです。今季PLで2点以上カウンターで失点しているのはレスター含め5チームだけ。その5チームの中で流れからの失点は6と一番少ない(次に少ないのはサウサンプトンの11)分カウンターに対する弱さが目立っています。

もともと選手同士が近い距離でパス交換をして崩そうとする分、奪われると広大なスペースがあります。ここを使われないように一気に圧縮するのがリヴァプールやマンCのようなチームだと思いますが、レスターはそこまでカウンタープレスが上手くないです。これをカバーするのがNdidiだったりEvansの飛び出しだったりなのですが、一人でも欠けると止めきれないのかもしれません。さらに現状Ndidiもコンディションが最高ではないのか、止めきれないシーンが普段より多くなっています。

チャンスの形

レスターの強みは、スルーパスからの得点とWhoScoredではされていて、実際観ていてもスルーパスが上手く通ればかなりの確率で得点に結びつきます。逆に言えばスルーパスを通されなければ失点しないと相手は見ているかもしれません。実際、Ancelotti監督はSBとCBの間をボランチに集中的にケアさせていた感じがしました。

以前Rodgers監督が、裏にスペースがない場合は裏に走る選手を置いても上手くいかないからほかのタイプが要る、というようなことを言っている記事を読みました。エヴァートン戦は奇しくも前の記事で自分が期待していた裏抜け特化メンバーでしたが、早々に失点(Barnesのポジショニングミスがあったように見えました)したためにスペースはもらえず。こういった裏がないときの形がいまだに見えてこないです。

エヴァートン戦では特に相手の2ラインのブロックに対し、レスターは皆がブロックの手前に出てきてしまい結果そのまま文字通り壁にぶち当たりました。果敢にドリブルを試みますがすぐに3,4人に囲まれてしまい、あれで得点できるのはMessiのようなトップオブトップぐらいでしょう。相手に引いて守られて時間がなくなると、前線の選手はVardyを除いて相手守備網に無謀な突撃をしてチャンスをふいにすることが非常に多いです。それで追いつけたり勝ち越せたりしたためしはないですが。

ブライトン戦で希望が持てたのは、Justinの速いクロスでした。エヴァートン戦でもÜnderの巧みなフリックからJustinが良いクロスを入れていました。以前よりクロスでのチャンスメイクが増えたので、今後も伸ばしてほしいところです。そして無謀な中央突破に頼らずにサイドを素早く上がってクロスから得点、という形も再現性高く使えるようになれば道が開けるかもしれません。Justinの成長とともにPereiraとCastagneの復帰も待ち遠しいです。

あとはこの形で活きそうなのがAlbrighton。ブライトン戦では左に回ってから大活躍でした。Albrightonがボールを持ちあがって、相手が寄り始めたら逆サイドにロングパス、Justinが受けて一気に攻めあがる、という形ができていました。それ以外にもMaddisonの動きに合わせて代わりに最前線に出て行ったり、サイドから中に入ってプレスをしたりとものすごく気が利いていましたし、Albrightonのよく曲がるインスイングのアーリークロスは相手の裏を突くVardyと相性抜群であることはもう何年にもわたって証明してきました。Barnesは今日ダメそうだな…という日がしばしばあるので、そんな時はAlbrightonに左を任せてみてもいいのではないかと思います。特にChilwellがいなくなってからBarnesは単騎突破が余計に求められていて、それがやはり毎回上手くいくわけではないので。

Rodegers監督の哲学

初回配信からだいぶ遅れてますが、先日DAZNのFootball FreaksでのRodgers監督特集を観ました。その中で彼は自分のことを"Developer"と呼んでいて、育成にこだわりを持っているとのことでした。たしかに、Rodgers監督が来てから新しい選手、特に若手がどんどん活躍していったり、ベテランも成長していったりというのを多く見ています。これまでの選手起用を見ても、Ndidiの離脱時にChoudhuryをずっと中盤底で使い続けたり、いまいちパッとしなくてもPérezとIheanachoを起用し続けたりとその哲学が感じ取れます。

ただ、この哲学が邪魔をしていることも正直あるかと思います。エヴァートン戦でもいいところのないBarnesを下げず、チャンスメイクに絡んでいたÜnderを下げてPérezとIheanachoを入れた結果、Vardy以外全員相手中盤より手前に来てしまって攻撃が停滞しました。これまでも選手交代での打開策はあんまりなくて、経験を積ませるための決まっていたような交代がほとんどだったように思います。

もちろん監督の手腕のおかげで毎年主力選手を抜かれながらもレスターが今の位置をキープできていると思いますし、この哲学は実際にレスターというクラブを発展させてくれています。このことを否定する気はありません。ただ一方で、今節は1位と2位の直接対決があり順位を上げるチャンスでした。また昨季後半はCL出場権争いに絡んだ中での大失速がありました(その一因は怪我が出たポジションを若手のチャンスに充てたことがあると思います)。やっぱり応援しているチームがより上の順位に行くほうが嬉しいので、勝負所では強気の采配も見てみたいです。これまでを見ていても決して策がないわけではないと思うのですが…。修正力がないように映ってしまうことは哲学の裏返しなのかもしれません。

軽い気持ちで書き始めたら長くなってしまいました。今日はこの辺で。

20/21 第9, 10節: 3バックの限界

第9節 v Liverpool (A) & 第10節 v Fulham (H)

公式戦6連勝のあとLiverpool戦の負けから4試合勝ちなしと相変わらずアップダウンが激しいです。代表ウィーク前までは相手にチャンスを作られ続けても跳ね返せていましたが、最近はカウンターに耐え切れなくなっています。DF陣が簡単に振り切られるシーンが多くなったのは疲れもあるのではないでしょうか。

それはそうと、メディアではリヴァプールの怪我人ばかりが取り上げられますが、レスターも主力が何人も抜けていることを誰も取り上げません(このことに触れたのは自分が知る限りLeo the foorballさんの生配信でコメントをされた方だけでした)。予算的にはBig 6に入らないけど上位に食い込み始めた今の状態って、中途半端に持ち上げられてなんだか納得できないことが時々あります。特に今シーズンは一時的に首位に立ってもあまり注目されている感じがなく…トッテナムの方が騒がれていますね。これからビッグクラブにいろんな意味で並べるように、応援し続けないといけません。

後方のパフォーマンス低下

最近の3バックはAlbrightonをWBで回したりCBに本職SBの選手を置いたりと、怪我が多いDFの配置上でもメリットがあったのですが、今はここに5人使うというデメリットが目立ってきてしまっています。Thomas、Fuchs、Evans、Fofana、Justinを基本にあとAlbrightonとMorganがいるだけで、週2試合のペースを続けています。ManéにFofanaが何度も振り切られたのもそうですが、特に気になるのはFuchsのパフォーマンスです。おそらくこんなに使い続ける予定ではなかったと思うのですが、年齢的に今の状況はちょっときつそうです。ヘディングに行って触れなかったことで失点を招いたり(リーズ及びリヴァプール戦)、PA内で遅れて無理なタックルを仕掛けたり(ブラガ及びフラム戦、後者はPK)、ピンチに絡むチャンスが増えています。Thomasとの間を突いてくる相手に走り負けることも多いので、疲れから走力や集中力が落ちているのではないでしょうか。SöyüncüとPereiraが戻ってきているので、バックラインの立て直しが進むことを願います。

シャドーのパフォーマンス低下

前線で気になるのが、怪我明けの2選手、MaddisonとPraetのパフォーマンスです。以前はあれだけ裏に走っていたPreatが、明らかに棒立ちになっている時間が増えました。そうなるとMaddisonがパスを出せるところがなく(Vardyはたいてい2人でマーク)、無理なところにパスを出したりドリブルで強引に突っ込んだりしてボールを失いカウンターを受けるのが最近の流れです。PLこの2戦では、相手のプレッシャーもあると思いますが、パス成功率が今季初めて80%を切りスルーパスも一本も通せていないようです。その分ボールロストの回数が増えています。ウルヴズ戦では72分の出場でフル出場のここ2試合と近い数のパスを出し88%を成功させています。感覚的にもMaddisonが持つと高い確率でシュートまでいっている気がするので、チームの状態に引っ張られている感じは否めません。実際フラム戦の後半ÜnderとBarnesが入ってから明らかに動きが良くなりました。

4バックへの回帰

フラム戦の後半は4バックになりパフォーマンスが良くなりました。前半からこうしていれば…というのは結果論ですが、もったいなかったです。前線でボールが何度も奪われているとWBは上がりづらいので、攻撃は1トップ2シャドー+たまにTielemansみたいな前半でしたが、後半はじめは4-2-3-1ではっきりと攻撃の枚数が増えたのでチャンスを作りやすくなりました。押し込む時間が増えてしかも両SHが中に切れ込めるタイプになったので、SBの攻め上がりの回数も増えてゲームをコントロールし始めました。最近忘れていたけどレスターの昨季強かったやり方に戻った感じでした。

Ndidiも戻ってきたことですし、そろそろ4-1-4-1の復活が見たいところです。Praetも調子が上がるまではÜnder先発でいい気もしますが、PL初先発は訪れるでしょうか。最近得点が増えているBarnesと、Vardy、Ünderの3人をMaddisonが操り、Tielemansがロングシュートを狙いながらバランスを取る、そんな布陣が見てみたいです。

20/21 第8節: メンタリティの成長

第8節 v Wolverhampton Wanderers (H)

VardyのPKで先制してもう1本PKは止められてしまいましたが、SchmeichelのNevesに対するビッグセーブがそれを帳消しにしてこれで6戦6勝。順位表でも1ポイント差ながらトップに立ちました。ニュースサイトではトッテナムの方が優勝を期待されている記事ばかり出てくるところを含め、最近の勝ち切ってしまうレスターはちょっと15/16シーズンを思い出させるような気も。ELも含めて記録ラッシュの滑り出しのようです。

www.lcfc.com

板についてきた3-4-2-1

今回も3バックでしたが、だいぶ馴染んできたのではないでしょうか。といっても、この節は低いブロックではなく前にプレッシャーをかけるシーンが多くありました。Jiménezのポストを警戒したのかなと思います。フォーメーションもミラーでお互いプレスに行くので、ボールの奪い合いになったことがスタッツにも現れています。Vardyの2本目のPKが止められても、後半に攻め込まれる時間が増えても、勝ち切ることができたのも3バックでの自信がついてきたことが一因だと思います。

Maddisonの存在感

ボールの行ったり来たりが多い中で、Maddisonがボールを持つとファイナルサードまで行くし、マイボールの時間も伸びていた印象でした。囲まれても細かいタッチでキープするし、スルスルと前に進んでしまうプレーはさすがでした。怪我からの復帰以来出場時間も伸びてきて、試合の多い中で周囲も含めてコンディションをうまくキープしてくれることを願いたいです。

今節見えた弱点と次節に向けて

代表ウィークを挟んで、次節はリヴァプールとの対戦です。マンC、アーセナルを撃破して次はどうなるか、楽しみにしたいと思います。

今節の後半にはウルヴズがWBを引き出してCBとの間を突くようなプレーを仕掛けてきて、ピンチが増えました。昨シーズンのリヴァプール戦ではManéがSB裏を突いてEvansを抜いていったところから失点しているので、同じ形を作られないようにしないといけません。3バックで行くとしたら、右CBがJustinになってもFofanaになっても、Manéに対してどれだけついていけるか頑張りどころでしょう。これまではサイドに突破されてもクロスをゴール前で跳ね返し続けましたが、独力で突破してくるタイプにはどう対処するか注目です。

トッテナムをはじめほかのチーム次第でもありますが、アンフィールドでの一線を終えてまだトップにいられたら優勝争いにも本格的にからめる気がするので、レスターの頑張りに期待です。

20/21 第7節: ポゼッションは置いといて

第7節 v Leeds (A)

この節も勝ってELとPL合わせて5連勝。PLでも開幕7試合で5勝は新記録みたいです。今のメンバー上ということなんでしょうが、最近は完全に速攻型のチームとして完成度が上がってきました。

ポゼッションとハイプレスは封印

直近の勝ち続けている5試合では、ポゼッション率もパス数も相手を上回った試合はありませんでした。昨季のレスターはポゼッションをしながら相手を崩そうとしていましたが、最近は低めにブロックを組んで速攻で点を取る形が明らかに増えました。いるメンバーといないメンバーを考えると理にかなっているのではないでしょうか。

NdidiとSBの不在

ポゼッションスタイルで昨季特に輝いていたのは、

  • 相手に奪われても即座にカウンターの芽をつぶしてボールも散らせるNdidi
  • 内外走り分けてゴールやアシストをするChilwellとPereiraの両SB

でした。Chilwellは移籍(CL取れなかったので仕方ない)、NdidiとPereiraは怪我で彼らがいない状態では、昨季終盤のように攻め手を欠いてカウンターでやられるシーンが多発しました。それでもポゼッションにこだわったので、Rodgers監督への批判も増えてきて、Puel前監督と同じでは…?みたいなファンからの声も見かけました。

今季を観ていると、監督は柔軟性がないのではなくて、準備していない戦略は使いたくない、それで余計に悪くなることを避けたい、という考えが強いのではないでしょうか。プレシーズンが短かったとはいえ、今季初めにはNdidiのCB起用もありました。3バックも負傷者続出で仕方なくだったと思うのですが、今季は代表ウィークなんかもはさみながら3バックの完成度が上がっています。そんなところを観ると、アイデアはいっぱいありそうです。

戦術に幅を持たせた新戦力

今季はレンタル含め、WG、SB、CBにいい選手が入りました。

  • 裏抜けができる左利き右WGのÜnder
  • 両SBで攻撃にアクセントをつけられるCastagne
  • 機動力と高さを兼ね備えるCBのFofana

Castangeはシーズン初めから活躍していたし、あとの2人は最近試合に出るようになってチームの成績も上向きました。直近の試合でもFofanaは後ろから出て行ってボールを奪うシーンもあったし、ÜnderはLeeds戦でまたしてもスプリントでの裏抜けから右足で繊細なアシストを見せてくれました。

Leeds戦では、3CBの1人が出て行ったり中盤でのカットでマイボールにした後、TielemansやMaddisonが出すスルーパスにVardyともう1人シャドー(Barnes、Praet、Ünder)が飛び出す形ができていました。これまでは縦に速く行きたいタイミングでVardyしか裏を狙わない分、マークが付けてしまう状態でしたが、最近は相手がVardyを捕まえられないシーンが増えたように思います。もちろん彼の走り方とかポジショニングがすごいのもありますが。

まだまだ頼れる古株

新戦力も活躍していますが、優勝時から今も在籍しているメンバーも必要なところで大事な仕事をしてくれています。Vardyはもちろんですが、AlbrightonはVardyの動きを完全に理解したクロスを出せるし、Fuchsは左CBとして攻守に貢献しています。若手のThomasも彼が後ろにいるのは心強いのではないでしょうか。Morganも試合を締めるために投入されれば強大な壁として相手の攻撃を跳ね返してくれます。

何より、Schmeichelの存在が今のスタイルには欠かせません。プレスはあまり行かない分、どうしてもロングボールからチャンスを作られることがありますが、最後の最後でゴールを割らせない彼がいます。Arsenal戦でもあったようにここ最近では毎試合1、2回のビッグセーブで勝利を引き寄せてくれます。開始2分ほどでのBamfordの至近距離のヘディングも、シュートミスにも見えますがSchmeichelがポジションを誤らないからこそ防げたと言えるでしょう。

積み上げたスタイルの融合

今は速攻が上手くはまっている状態ですが、ポゼッションを忘れたというわけではないでしょう。Pereiraの復帰も近そうですし、Ndidiが戻るかMendyが今のペースで成長していけば新たなアンカーとなってくれるかもしれません。そうなると4バックで相手を押し込むスタイルとの併用も出てきそうです。相手チームのスタイルが変わっても今のところ勝ち続けていますが、さらに安定して勝ちをとれるように進化を続けてくれることを期待したいです。

20/21 第6節: 割り切った戦い方

第6節 v Arsenal (A)

相変わらずELがハイライトだけで寂しいですが、今週は2試合とも勝利。やりました。今季のレスターは攻撃的なチームに対してスペースを消して戦うのが上手くなりましたね。にしても今回は見てるほうが心配になる開き直り方でした。

ロングパスは放置

今回は裏のスペースを消して、プレスはあまり前まで行かないスタイルでした。アーセナルのCBは二人ともいいボールが出せますが、出す先を塞いでしまう作戦に見えました。

David LuizからSakaへのボールが前半から多く、チャンスになりかけるシーンもありましたがそこは全く気にかけていないようでした。おそらく、ここを詰めようとして逆側、つまりAubameyangを空けるほうがリスクが高いと考えたのだと思います。もちろんSakaも上手い選手なのですが、Aubameyangよりはリスクが低いという考えでしょう。実際後ろからくるロングボールを収めてチャンスに持ち込むのは相当テクニックが必要ですし、収めてもCastagneとFofanaががっつり寄せてきます。さらにエリア内にはDFがいっぱい。

監督もスペースを消すことを考えたと強調しています。チャンスの手前までは行くけど決定機はそうそう作らせなかったのでプラン通りということでしょう。 www.lcfc.com

ここに守備陣の頑張り、Schmeichelのビッグセーブもあって完封に成功しました。FofanaはWhoScoredのレーティングではレスター来てから7を切ってないようですね…すごい。

待望のRWG

この試合では、途中出場の2人が結果を出してくれました。Vardyはもうさすがとしか言いようがないのですが、Ünderのアシストも素晴らしかったですね。利き足ではない右で難しいバウンドをうまく合わせてくれました。

ELのハイライトでも見ましたが、積極的に裏に抜けるタイプのWGのようですね。レスターに来る前のプレーは知らないのでもともとなのかはわからないですが、Arsenal戦でのアシスト含めてELでも裏抜けでチャンスを作ったシーンがありました。PérezやIheanachoは下がってボールを受けに来るタイプで、裏抜けの頻度はそこまでありません。

Ünderの良いところは裏抜けの頻度とそのコースにもあるかなと思います。今回アシストの場面では真ん中に抜けずVardyから離れた位置で平行もしくはやや離れるように抜ける感じでした。サイドで誰かが釣ってくれるとVardyを相手DFがしっかり見続けることはできなくなって、こうなると完璧に裏を取ってくれるのがこのエース。PérezやIheanachoは真ん中に向けて抜けることが多く、味方のスペースをつぶすことがよくあります。今回Vardyベンチスタートで真ん中をBarnesが務めたことを見ても、彼らの突破には監督は物足りなさを感じているのかもしれません。

ÜnderはELで左足での枠左上に当たるシュートも放っていて、Mahrez以降決まらなかった右WGがついに、と期待してしまいます。監督もまだもっとフィットすると言っているので楽しみですね。

20/21 第5節: 若き新戦力と久しぶりの復帰

第5節 v Aston Villa (H)

前回からだいぶ空いてしまいました。代表ウィークには日本代表の試合について書こうかとも思ったのですが、なんというか書くほどのことも…という感じに思えたので。

レスターももう次の試合がすぐそこですが、書いておこうと思います。アストン・ヴィラ戦は守備面でいいところがいくつか見られたのですが、攻撃はちょっと停滞していました。スコアレスでもという感じでしたが最後の最後に集中が切れてしまったかなと思います。

新加入と復帰

Fofanaの活躍

この試合で出てきた19歳の新加入Fofanaですが、攻守にわたってかなり目立っていました。競り合いに負けないし、最後の場面では体を張る(反対からきて同じように体を張ってくれたJustinとたまにどっちか分からなくなりました)。ボールを持つときには細かいタッチで奪われない位置に置いて攻撃の起点になろうとしていました。Söyüncüの復帰まで時間がかかりそうですが、そこを補うどころかポジションを脅かすくらいの活躍でした。

Slimaniの復帰

前の記事を書いたときか、レスターのHPを見ていたら選手リストにSlimaniがいてちょっと驚きました。Goal.comの記事によると玉突きで出ていくところだったみたいですね。そうなっても新しいFWはとっていない気がするのでDembéléに感謝でしょうか。今回のレスターでの出場は1000日以上ぶりだったそうです。

www.goal.com

Rodgers監督も空中戦の強さに期待するコメントがありましたが、今回途中出場でちょっと見せてくれました。後方からのロングボールを相手DFを抑えながらMaddisonに落としてそのままチャンスになりかけたシーンがありました。2列目から飛び出せる選手が増えた今だと彼のポストプレーは武器になると思います。Schmeichelのキックのターゲットにもなれますし。

さらにSlimaniのチームプレーにも少し変化が見られました。加入当初ゴール前にいて点を取る役に徹する分、Verdyがチャンスメイクに回ってもったいない形になっていましたが、今回はサイドに流れてクロスを出したり、コースを切るプレスで相手のビルドアップを妨害したりと多様なプレーを見せてくれました。Verdy欠場時の代役や、Verdyとの2トップでも加入当初より輝いてくれそうで今後に期待です。

FW陣

rezの守備での奮闘

前節では守備が緩かったPérezですが、今節はかなりアグレッシブに守備をしていました(監督に怒られたのでしょうか)。Grealishを止めるためにタックル6回、カードももらいましたがボール奪取も何度か見せて守備でかなり貢献してくれました。

IheanachoとPérezの連携

この二人での攻撃はまだまだ上手くいってない感じがしました。とにかくポジションが被る。裏を狙える時に下りてきてパスコースがなかったり、二人とも裏を目指してスペースを埋めあったりという場面が目立ちました。それによりPraetも消えちゃうような悪影響が出ていた気がします。Praetではなくこの二人のどちらかを交代させれば…とも思いましたが怪我明けであのタイミングの交代は決めていたみたいですね。

試合の締めくくり方

Choudhuryの適正ポジション

この試合でもったいなかったのがBarkleyに決められた1点。彼にスペースを与えてしまうとあんなシュートが飛んでくるのは予想がつくので、その前に止めたかったです。監督もスペースを与えすぎたと言っていました。あそこを埋めていてほしかったのはChoudhuryだと思うのですが、ボールに寄ってしまって真ん中を空けてしまいました。

昨季にNdidiがいないときにも彼は中盤底で使われましたが、あまり良い印象ではなかったし実際あのころから急激に失速しています。Choudhuryは動き回ってボールに絡むので、アンカーだとスペースを空けてしまうことがよくあります。そこを突かれて急いで戻ってももう遅い…という流れが何度もありました。Ndidiもボールを奪うという意味では同じ役割ですが、彼はまず危ないスペースに陣取るのがものすごく上手いです。

個人的には、どちらかというとPraetのような役が良い気がしています。中盤で守備も攻撃も運動量豊富に助けに入る感じ。そういうプレーをあまり見ていないのでなんとなくではありますが。少なくとも今までのようにクローザー的に入れられて、上手く締められないということは何度か見ているので、成長に期待してなのかもしれませんが場所は考えたいです。

妄想の話

じゃあどうやって試合を締めたらよかったか、妄想してみました。Evansのリベロ化とかちょっと見てみたいです。Mendyが守備で疲れたらFuchsを入れて、Justinを左CBに入れてEvansを真ん中のCBにしてちょっと前に押し出す感じ。もともと読みが良くてパスも散らせるので、バイタルを埋めてビルドアップに貢献できるんじゃないかと。さらにFofanaやJustin、復帰すればSöyüncüと両脇のCBはボールが運べるので、ビルドアップの形が増やせそうです。攻撃としても、FuchsとCastagneが両脇から真ん中のSlimaniに向けてクロスを入れるのも形としてできれば試合終盤の打開策になるかもしれません。

そうなると中盤の人選はどうなるのかとか問題はもちろんあるのですが、たまにシステムをいじってびっくりする効果を生むチームなので、こんな形も出してみてくれないかなと思います。

ELデビュー

この期間に大きな話題は何といってもヨーロッパリーグでの初戦でした。ちゃんと調べていなかったのですが、DAZNで放送しないなんて…。個人的には追加料金の別プラン作っていいから放映権取ってくれないかなというところです。DAZNスカパー!なんかと比べれば視聴料安くて、資金力があるから放映権もいっぱいとって他を市場から排除しておいて、それでこれはちょっとないんじゃないかなと…。

ということでUEFA.tvを見てみたわけですが、ELのフルでの放送枠はたったの2つ…。当然レスターには回ってこず。10分のExtended highlightを見ることしかできませんでした。

結果は3-0でしたが、その中でもIheanachoのポストが上手くいくシーンがいくつかあった気がします。もともとそこが得意な選手ではあるので、プレミアでも見せてほしいところです。中位から下位相手にも正直微妙なところなので…。

とりあえず、グループステージを抜けて少しでも多くフルの試合を観られるチャンスを得てほしいです。