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あるLeicester City FCファンのブログ

20/21 第7節: ポゼッションは置いといて

第7節 v Leeds (A)

この節も勝ってELとPL合わせて5連勝。PLでも開幕7試合で5勝は新記録みたいです。今のメンバー上ということなんでしょうが、最近は完全に速攻型のチームとして完成度が上がってきました。

ポゼッションとハイプレスは封印

直近の勝ち続けている5試合では、ポゼッション率もパス数も相手を上回った試合はありませんでした。昨季のレスターはポゼッションをしながら相手を崩そうとしていましたが、最近は低めにブロックを組んで速攻で点を取る形が明らかに増えました。いるメンバーといないメンバーを考えると理にかなっているのではないでしょうか。

NdidiとSBの不在

ポゼッションスタイルで昨季特に輝いていたのは、

  • 相手に奪われても即座にカウンターの芽をつぶしてボールも散らせるNdidi
  • 内外走り分けてゴールやアシストをするChilwellとPereiraの両SB

でした。Chilwellは移籍(CL取れなかったので仕方ない)、NdidiとPereiraは怪我で彼らがいない状態では、昨季終盤のように攻め手を欠いてカウンターでやられるシーンが多発しました。それでもポゼッションにこだわったので、Rodgers監督への批判も増えてきて、Puel前監督と同じでは…?みたいなファンからの声も見かけました。

今季を観ていると、監督は柔軟性がないのではなくて、準備していない戦略は使いたくない、それで余計に悪くなることを避けたい、という考えが強いのではないでしょうか。プレシーズンが短かったとはいえ、今季初めにはNdidiのCB起用もありました。3バックも負傷者続出で仕方なくだったと思うのですが、今季は代表ウィークなんかもはさみながら3バックの完成度が上がっています。そんなところを観ると、アイデアはいっぱいありそうです。

戦術に幅を持たせた新戦力

今季はレンタル含め、WG、SB、CBにいい選手が入りました。

  • 裏抜けができる左利き右WGのÜnder
  • 両SBで攻撃にアクセントをつけられるCastagne
  • 機動力と高さを兼ね備えるCBのFofana

Castangeはシーズン初めから活躍していたし、あとの2人は最近試合に出るようになってチームの成績も上向きました。直近の試合でもFofanaは後ろから出て行ってボールを奪うシーンもあったし、ÜnderはLeeds戦でまたしてもスプリントでの裏抜けから右足で繊細なアシストを見せてくれました。

Leeds戦では、3CBの1人が出て行ったり中盤でのカットでマイボールにした後、TielemansやMaddisonが出すスルーパスにVardyともう1人シャドー(Barnes、Praet、Ünder)が飛び出す形ができていました。これまでは縦に速く行きたいタイミングでVardyしか裏を狙わない分、マークが付けてしまう状態でしたが、最近は相手がVardyを捕まえられないシーンが増えたように思います。もちろん彼の走り方とかポジショニングがすごいのもありますが。

まだまだ頼れる古株

新戦力も活躍していますが、優勝時から今も在籍しているメンバーも必要なところで大事な仕事をしてくれています。Vardyはもちろんですが、AlbrightonはVardyの動きを完全に理解したクロスを出せるし、Fuchsは左CBとして攻守に貢献しています。若手のThomasも彼が後ろにいるのは心強いのではないでしょうか。Morganも試合を締めるために投入されれば強大な壁として相手の攻撃を跳ね返してくれます。

何より、Schmeichelの存在が今のスタイルには欠かせません。プレスはあまり行かない分、どうしてもロングボールからチャンスを作られることがありますが、最後の最後でゴールを割らせない彼がいます。Arsenal戦でもあったようにここ最近では毎試合1、2回のビッグセーブで勝利を引き寄せてくれます。開始2分ほどでのBamfordの至近距離のヘディングも、シュートミスにも見えますがSchmeichelがポジションを誤らないからこそ防げたと言えるでしょう。

積み上げたスタイルの融合

今は速攻が上手くはまっている状態ですが、ポゼッションを忘れたというわけではないでしょう。Pereiraの復帰も近そうですし、Ndidiが戻るかMendyが今のペースで成長していけば新たなアンカーとなってくれるかもしれません。そうなると4バックで相手を押し込むスタイルとの併用も出てきそうです。相手チームのスタイルが変わっても今のところ勝ち続けていますが、さらに安定して勝ちをとれるように進化を続けてくれることを期待したいです。